日韓の 法令に 関すること(など)

日韓の 改め文に 関することを 中心に 調べたことなど(法令以外に 関するものも 含む。)を 書いていく 予定です(ひとまず)。 IE未対応です。

改正規定(項)

総論

日本

  1. 日本では,現在 新たに 制定される 法令では 基本的に 項番号が 付されているが,戦後まもなくは,項番号を 付していなかった。
  2. 項番号のある 法令では 項を 追加・削除するとき 条等と 同様に 前後の 項の 繰下げ等を するが,項番号のない 法令では 項を 追加・削除すると 自動的に 項番号が 変化すると 解されているから,前後の 項の 繰下げ等は しない。
  3. 以上のほかに,項番号の 有無で 変わるところは ない。

韓国

  1. 韓国では,比較的 初期から 項番号を 付しているため,基本的に 項番号の 有無を 考慮する 必要はない。
  2. なお,『立法技術の理論と実際』では 「項番号の表示がないか,条文の見出しのない法令を改正するにあたっては,改正法令の追加条項に項番号や見出しを表示しない。」とされているが,法律第433号地方税法中改正法律では,新設の 条では 項番号を 表示し,在来の 条に 新設する 項では 項番号を 表示していないようである。
  3. ただし,いずれにせよ 法典編纂に あたっては,項番号を 表示し(見出しは 国家法令情報センターでは 表示していないが,市販の 六法では 独自に 表示している。この点は 日本と 同様である。)ており,日本の 六法のように 独自に 付した 項番号と それ以外での 区別は されていない。

追加

日本

  1. 日本では,項の 追加は,追加する 位置を 特定して 行う。
  2. 追加する 位置の 特定は,「第_項の次」として 特定するのが 原則である。
  3. しかし,第1項を 追加しようとする場合,既存の 条の 繰下げの 途中に 追加しようとする場合など,「第_項の次」の 形式で 特定するのが 不適当な場合には,「第_項の前」として 特定する。
  4. また,条の 最後に 項を 追加する場合には,条のみを 特定する。

[原則]

 第1条第2項の次に次の2項を加える。
3 ・・・。
4 ・・・。*1

 

["前に"方式による場合](基本的に 既存の 項を 繰り下げ,第1項を 追加する 場合に 用いられる。)

 第1条第2項の前に次の1項を加える。
  ・・・。*2

 

["第〇項として"方式による場合]

 第1条に第1項として次の1項を加える。
  ・・・。*3

 

[条の 最後に 追加する場合]

 第1条に次の1項を加える。
2 ・・・。*4

 

[戦前]

第1条第2項の次に左の1項を加ふ
 ・・・

第1条に左の1項を加ふ
 ・・・

第1条に左の如く加ふ
 ・・・

第1条に第1項として左の1項を加ふ

 ・・・*5

韓国

  1. 韓国では,追加する 位置ではなく,追加する 項の 項番号を 特定して 行う。
  2. また,2項以上を 追加する場合には,「・・・を各々追加する。」と 表現する。
  3. なお,削除された 条文は,存在しないものとして 扱われるから,当該箇所に 項を 新設する場合も,通常の 新設と 同様の 方式による。
  4. そのほか,初期には,日本の場合と 同様に 「第〇条第〇項の次に次の項を新設する。」ともしていたが*6,現在では,項番号がなくても「第1条第2項を第3項とし,同条に第2項を次のように新設する。」のように 繰上げ・繰下げを 伴う 形で 表現をする。

[1의 항을 신설하는 경우] 1の項を加える場合

제1조에 제2항을 다음과 같이 신설한다.
② ・・・.*7

 

[2 이상의 항을 신설하는 경우]

제1조에 제2항 및 제3항을 다음과 같이 신설한다.
② ・・・.
③ ・・・.*8

 

[오래된 방식으로 현재는 쓰이지 않는 방식]

제1조 제2항 다음에 다음의 항을 신설한다.
  ・・・.*9

 

제1조 제2항을 제5항으로 하고, 제2항부터 제4항까지로 다음의 항을 둔다.
  "・・・."
  "・・・."*10

 

제1조 제2항을 다음과 같이 신설한다.
  ・・・.*11

 

제1조에 좌의 1항을 가한다.

  ・・・.*12

改正

  1. 韓国では,2項以上を 改正する場合には,「・・・を各々次のようにする。」と 表現する。
  2. なお,戦前の 法制執務においては,「第○条第○項(乃至第×項)を左の如く改む」として,従前の 項数よりも 多く,又は 少ない 数の 項を 掲げ,要するに,削去 又は 追加を 同時に 行う 方法が 往々にして 用いられたが,現在では,各項に 項番号を 付していることも あり,このような 手法は,全く 用いられない。
  3. その他,条の 一部を 改める場合については,「改正規定(字句)」,「改正規定(本文・ただし書と 段,なお書き)」,「改正規定(号・号の細分)」その他 該当の 記事(執筆予定) 参照。

 第1条第2項を次のように改める。

2 ・・・。*13

 

[戦前]

第1条第2項を左の如く改む

 ・・・*14

[1의 항을 개정하는 경우] 1の項を改正する場合

제1조제2항을 다음과 같이 한다.
② ・・・.*15

 第1条第2項を次のように改める。

2 ・・・。 

 

[2 이상의 항을 개정하는 경우] 2以上の項を改正する場合

제1조 제2항 및 제3항을 각각 다음과 같이 한다.
② ・・・.
③ ・・・.*16

 第1条第2項及び第3項を各々次のように改める。

 

[건국 초기에 쓰이던 방식] 建国初期に用いられた方式

제1조 제2항을 다음과 같이 개정한다.
  "・・・."*17

 第1条第2項を次のように改正する。

 「・・・。」

※ このような方式は,英・米国法や 独・仏国法でも 用いられる。

削去

日本

  1. 日本の場合,項の 削去では,当該項を 形式的には 残しつつ 実質的に 廃止する方法(以下「実質削去(方式)」という。)は,認められず*18,常に 当該項を その痕跡を残さずに 形式上も実質上も 完全に 消し去る方法(以下「形式削去(方式)」という。)*19による。
  2. なお,用例の前者・後者の関係については,追加と 同様である。
  3. そのほか,「FAQ » Blog Archive » 『項』を「削除」とできるか」も参照。

 第1条第2項を削る。*20

 

[戦前]

第1条第2項を削る*21

韓国

  1. 韓国の場合,単に削る〈削除する〉方式により,基本的には 繰下げ等を 行わない。
  2. 従って,削除後には,空き地が 生ずることとなるが,法典編纂に あたっては,「③ 削除」として 当該項が 削られていることを 示す 取扱いと なっている。
  3. また,2項以上を 削除する場合には,「・・・を各々削除する。」と 表現する。
  4. なお,連続する項が 削られている場合においては,六法〈法典〉によって「②から⑤まで 削除(②ないし⑤ 削除)」として 纏めて 示すものと,各項ごとに 個別に 示すものがある。
  5. また,削ろうとする 項の 中間に 既に 削られている 項がある場合においては,既に 存在しない 項を 削ることは できないから,当該 既に 削られている項 以外について 削ることと されている。

[1의 항을 삭제하는 경우]

제1조 제2항을 삭제한다.*22

 第1条第2項を削除する。

 

[2 이상의 항을 삭제하는 경우]

제1조 제2항 및 제3항을 각각 삭제한다.*23

 第1条第2項及び第3項を各々削除する。

 

*1:項番号のある法律の例-出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律(平成30年法律第102号)
項番号のない法律の例-児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律(平成29年法律第69号)参照。

*2:項番号のある法律の例-所得税法等の一部を改正する法律(平成26年法律第10号)第1条
項番号のない法律の例-地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(平成28年法律第47号)第六条参照。

*3:項番号のある法律の例-公職選挙法及び最高裁判所裁判官国民審査法の一部を改正する法律(平成26年法律第94号)第1条
項番号のない法律の例-児童福祉法の一部を改正する法律(平成26年法律第47号)参照。

*4:項番号のある法律の例-出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律(平成30年法律第102号)
項番号のない法律の例-働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成30年法律第71号)第1条参照。

*5:戦時森林資源造成法中改正法律(昭和20年法律第52号)参照。

*6:もっとも 追加する 項数は 表示しない。

*7:법률 제15751호 정보통신망 이용촉진 및 정보보호 등에 관한 법률 일부개정법률, 법률 제472호 국회법중개정법률 등 참조.

*8:법률 제13230호 국립대학법인 울산과학기술대학교 설립·운영에 관한 법률 일부개정법률 참조.

*9:법률 제275호 국회법중개정법률 등 참조.

*10:법률 제38호 국회법중개정법률 참조.

*11:법률 제433호 지방세법중개정법률 참조.

*12:대통령령 제111호 신문전보인가규칙중개정의건 참조.

*13:貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律(平成30年法律第96号)参照。

*14:衆議院議員選挙法中改正法律(昭和20年法律第42号)参照。なお,同法では,「第24条第1項を左の如く改む」として,6項を 掲げている。従って,従前の 第2項は 第7項となった。

*15:법률 제16243호 노인복지법 일부개정법률 참조.

*16:법률 제13230호 국립대학법인 울산과학기술대학교 설립·운영에 관한 법률 일부개정법률 참조.

*17:법률 제38호 국회법중개정법률 등 참조.

*18:項は あくまで 段落に過ぎないという 建前の ためである。

*19:この場合,前後の 項の 繰下げ等を 伴うこととなる。

*20:特定農林水産物等の名称の保護に関する法律の一部を改正する法律(平成30年法律第88号)参照。

*21:衆議院議員選挙法中改正法律(昭和20年法律第42号)参照。

*22:법률 제13230호 국립대학법인 울산과학기술대학교 설립·운영에 관한 법률 일부개정법률, 법률 제343호 소득세법중개정법률 등 참조.

*23:법률 제13230호 국립대학법인 울산과학기술대학교 설립·운영에 관한 법률 일부개정법률 참조.