日韓の 法令に 関すること(など)

日韓の 改め文に 関することを 中心に 調べたことなど(法令以外に 関するものも 含む。)を 書いていく 予定です(ひとまず)。 IE未対応です。

韓国の長期継続契約制度メモ

わが国における長期継続契約の制度は、会計法の一部を改正する法律(昭和36年法律第236号)により会計法(昭和22年法律第35号)第29条の12として創設されたところ*1

韓国では、まず、1975(昭和50)年に法律第2826號 豫算會計法중改正法律により、舊「豫算會計法」第70條의15として創設され、その後國家를當事者로하는契約에관한法律(国を当事者とする契約に関する法律)の制定に伴い、同法第21條に移された。

法令の規定

国を当事者とする契約に関する法律

第20条(会計年度開始前の契約締結)各中央官署の長又は契約担当公務員は、賃借契約・運送契約・保管契約等その性質上中断することができない契約の場合において、大統領令で定めるところにより、「国庫金管理法」第20条にもかかわらず、会計年度開始前に当該年度の確定された予算の範囲であらかじめ契約を締結することができる。

第21条(継続費及び長期継続契約)① 各中央官署の長又は契約担当公務員は、「国家財政法」第23条による継続費事業については、総額及び年賦額を明らかにして継続費契約を締結しなければならない。

② 各中央官署の長又は契約担当公務員は、賃借、運送、保管、電気・ガス・水道の供給その他その性質上数年間継続して存続すべき必要があり、又は履行に数年が必要な契約の場合において、大統領令で定めるところにより、長期継続契約を締結することができる。この場合において、各会計年度の予算の範囲においてその契約を履行させなければならない。

国を当事者とする契約に関する法律施行令

第67条(会計年度開始前の契約)各中央官署の長又は契約担当公務員は、法第20条の規定により会計年度開始前に契約を締結しようとするときは、その会計年度開始日以降に契約の効力が発生するようにしなければならない。

第69条(長期継続契約及び継続費契約)① 次の各号のいずれか一に該当する契約として、法第21条により長期継続契約を締結しようとする場合には、各所属中央官署の長の承認を得て、単価についての契約を締結することができる。

1. 運送・保管・試験・調査・研究・測量・施設管理等の用役契約又は賃借契約

2. 電気・ガス・水道等の供給契約

3. 装備、情報システム及びソフトウェアの維持補修契約

② 長期継続工事は、落札等により決定された総工事金額を付記し、当該年度の予算の範囲内において第1次工事を履行するよう契約を締結しなければならない。この場合において、第2次以後の契約は、付記された総工事金額(第64条から第66条までの規定による契約金額の調整がある場合には、調整された総工事金額をいう。)から既に契約された金額を控除した金額の範囲内において契約を締結することを付款として約定しなければならない。

③ 長期物品製造等及び情報システム構築事業(構築事業とともに当該情報システムの運営及び維持補修事業を包括して契約を締結する場合を含む。)の契約締結方法に関しては、第2項を準用する。

④ 第2項及び第3項の規定による第1次及び第2次以後の契約金額は、総工事・総製造等の契約単価により決定する。

⑤ 継続費予算により執行する工事にあっては、総工事及び年次別工事に関する事項を明らかにして契約を締結しなければならない。

概要

判例と一部相違する部分があることに注意

…長期継続契約は、その性質上数年間継続して継続すべき必要があり、又は履行に数年を要する事業を対象とし、総工事金額を付記しつつ各会計年度の予算の範囲内で独立した年次別契約を締結する契約方式をいう…。このような長期継続契約は、(全体の予算が確保されていない状態で締結される)総括契約と、(確保された予算範囲内で締結される)年次別契約の2重構造となっているという点が特長である。

このような長期継続契約は、総事業費に対してあらかじめ予算が確保されていない状態で、数年間の履行を要する契約が締結されることにより、いくつかの問題が発生してきた。特に、長期契約工事契約において、竣工が遅れることにより間接費が追加で生ずる場合、補償予否が問題となってきた。これに関して、最近大法院全員合議体では、総括契約の拘束性を認めず、当該次数別に竣工対価の受領前までに工期延長に伴う契約金額調整を請求しなければならないと判示したところである。

キム・デイン「長期継続契約制度についての比較法的考察」(行政法理論実務学会『行政法研究』第61号第85頁*2

判例

大法院2018.10.30.宣告2014다235189全員合議體判決

【判決要旨】

[多数意見]旧国を当事者とする契約に関する法律(2012年3月21日法律第11377号により改正される前のもの。以下改正前・後に関係なく「国会契約法」という。)第21条は、「各中央官署の長又は契約担当公務員は、賃借、運送、保管、電気・ガス・水道の供給その他その性質上数年間継続して存続すべき必要があり、又は履行に数年が必要な契約にあっては、大統領令が定めるところにより、長期継続契約を締結することができる」と規定している。そして、国家契約法施行令第69条第2項は、「長期継続工事は、落札等により決定された総工事金額を付記し、当該年度の予算の範囲内において第1次工事を履行するよう契約を締結しなければならない。この場合において、第2次以後の契約は、付記された総工事金額(第64条ないし第66条の規定による契約金額の調整がある場合には、調整された総工事金額をいう。)から既に契約された金額を控除した金額の範囲内において契約を締結することを付款として約定しなければならない」と規定している。

このように、長期継続工事契約は、総工事金額及び総工事期間に関して別途の契約を締結し、更に個々の事業年度別に契約を締結する形態ではなく、まず1次年度の第1次工事に関する契約を締結するとともに総工事金額及び総工事期間を付記する形態により構成される。第1次工事に関する契約締結当時付記された総工事金額及び総工事期間に関する合意を通常「総括契約」と称しているが、このような総括契約において定めた総工事金額及び総工事期間は、国等が入札当時予定していた事業の規模によったものである。事業年度が経過するに伴い総工事期間が延長された場合、追加で年次別契約を締結するとともに、そこに付記する総工事金額及び総工事期間がともに変更されるだけで、年次別契約と別途に総括契約(総工事金額及び総工事期間)の内容を変更する契約が別に締結されるのではない。

したがって、右のような総括契約は、それ自体で総工事金額や総工事期間についての確定的な意思の合致によったものではなく、各年次別契約の締結により連動するものである。一般的に、長期継続工事契約のの当事者らは、総括契約の総工事金額及び総工事期間を各年度別契約を締結するのに暫定的基準として活用する意思を持つに留まるものと解され、各年度別契約に付記された総工事金額及び総工事期間それ自体を根拠として工事金額及び工事期間に関して確定的な権利義務を発生させ、又は拘束力を持たせようとする意思を有しているとは解しがたい。

すなわち、長期継続工事契約において、いわゆる総括契約は、全体的な事業規模や工事金額、工事期間等に関して暫定的に活用する基準であって、具体的には、契約の相手方が各年度別契約を締結すべき地位にあるという点及び契約全体の規模は総括契約を基準とするという点に関する合意であると解すべきである。したがって、総括契約の効力は、契約の相手方の決定(年次別契約ごとに競争入札等の、契約の相手方の決定手続を再度経る必要がない。)、契約履行意思の確定(正当な事由なく年次別契約の締結を拒絶することはできず、総工事内訳に含まれたものを別途分離発注することはできない。)、契約単価(年次別契約金額を定める際、総工事の契約単価により決定する。)等にのみ及ぶに留まり、契約の相手方が履行すべき給付の具体的な内容、契約の相手方に支払うべき工事代金の範囲、契約の履行期間等は、全て年次別契約を通じて具体的に確定されると解すべきである。

【大法官 キム・ソヨン、大法官 チョ・ヒデ、大法官 キム・ジェヒョン、大法官 ノ・ジョンヒの反対意見】

(イ)多数意見は、「総括契約が年次別契約に連動する」と表現し、年次別契約に重点を置いている。しかし、長期継続工事契約の履行の実際の様態は、総括契約で定めた総工事期間が延長されれば、延長された期間内に年次別契約が追加で締結されるのである。多数意見は、現実の様態とは正反対の状況を前提として論議している。

(ロ)法律行為が成立すれば、効力が発生することが原則であり、ただし、その法律行為の目的が不可能であり、違法であり、又は社会的妥当性がない場合にのみ効力が制限される。民法の基本理念である私的自治の原則に照らし、意思の合致がある場合には、その効力を任意に制限することはできず、制限するには、それに適する理由と根拠がなければならない。

多数意見は、総括契約の成立を認めながらも、その効力や拘束力を制限する根拠を提示できていない。更には、効力を全部制限するのではなく、一部のみを制限しており、それも工事契約でもっとも重要な事項と言える工事代金と工事期間である。

多数意見は、関連法令の解釈上その効力を制限するという趣旨のようであるが、これは、明示的な規定がないにもかかわらず、原則に対する例外を解釈により安易に認定するもので、法律解釈の方法として妥当でない。

したがって、多数意見は、法律行為の成立は、認めながらも何らの根拠なくその効力を制限するもので、法律行為の成立と効力に関する法理に反したものである。

(ハ)다수의견은 국가계약법 등이 추구하는 이념인 신의성실의 원칙에도 반하고, 구체적 관련 규정에도 반한다.

(ニ)다수의견은 총공사기간에 대하여 구속력을 인정하는 것이 계속비계약이 아니면서도 1년 이상 진행되는 계약의 효력을 인정하는 것으로 예산일년주의에 반하거나 국회의 예산심의 확정권 또는 의결권을 침해한다고 주장한다. 그러나 장기계속공사계약은 국회가 스스로 입법한 국가계약법에 따라 인정되는 것이다. 이러한 경우까지 예산일년주의에 반한다거나 국회의 예산심의 확정권 또는 의결권을 침해한다고 볼 수 있는지 의문이다.

(ホ)장기계속공사계약에 적용되는 관련 법령이나 계약조건의 해석이 불분명하다면 이러한 법령과 계약조건을 정한 국가가 이로 인한 불이익을 받는 것이 타당하다. 따라서 부기한 총공사기간에 구속력이 있는지 여부가 관련 법령과 계약조건에 명확하지 않다면 계약상대방인 공사업체들에게 유리하게 해석하여 구속력을 인정하여야 한다.

出典:大法院『総合法律情報』(https://glaw.scourt.go.kr/wsjo/panre/sjo100.do?contId=3200674)R5.4.29閲覧

 

*1:なお、その後地方自治法の一部を改正する法律(昭和38年法律第99号)により地方自治法(昭和22年法律第76号)第234条の3として地方公共団体にも展開されるに至った。

*2:김대인「장기계속계약제도에 대한 비교법적 고찰」『행정법연구』, 행정법이론실무학회, 제61호, 85면.