「目次」の 記載の 標記部分性等について
前提
- 法令の 目次には、現在 冒頭に 「目次」という 標題の 記載を 行われる。
- ところで、目次を 全部改め、削り、又は付する 改正を 行うについて、方式書方式では、破線囲繞によることと している*1のであるが、目次の 標題を 標記部分と 捉えるのであれば、二重傍線に よるべきはずである。
- このことについて、原規解*2では、
- 「現行法令にある全ての目次にこうした記載があるわけではな」いこと
- 「これら〔註:「目次」や「○○法目次」など〕の記載を欠く例もある」こと
- 逆に、榊原Ⅲでは、
- 「条の全部改正、追加の場合、「条」の冒頭部分はひとまとまりの規定の冒頭の「標記部分」とされ・・・当該ひとまとまりの規定の全体を改正操作の対象として表すこととしている」こと
- 「改め文方式においては目次には「1文完結形式」が採られていること
私見
- 私見は、破線囲繞による 改正を 原則と すべきであるが、二重傍線による 改正も 妨げないと 考える。
- 思うに、改め文方式では、通常 「題名の次(第1条の前)に次の目次及び章名を付する」のように 章名と 同時に 加えられる。
- この点、目次の 新設を 二重傍線により 追加することと すると、改め文方式では、1の 改正規定により 行っていた 改正が、二重傍線と 破線の 2種類の 改正に 分かれてしまうことと なるが、これは 改め文方式での 伝統を 可能な 限り 引き継ぐ、方式書方式の やり方とは 相容れない。
- この理は、削りについても 同様である。
- また、改めについても、改め文方式で 「失業保険法目次及び題名を次のように改める」*3に 続けて 題名・目次の 順に 記載しているなど、どちらかというと、図画的を 行っているものと 考えられるという 事実は、破線囲繞による 改正を 支持する。
- これらの 理由から、いずれの 場合であっても、破線囲繞による 改正の 方が、支持できる。
- このように、原則的な 結論は、原規解に 賛成するのであるが、しかし、「目次」等の 記載が 標記部分とは 言えないからという 理由付けについては、疑問である。
- まず、従来 その 記載を 欠いていたという 点は、項番号と 同様であるが、項番号の 場合、注記を 行うことにより 標記部分が あるのと 同様の 取扱いを することが できると されている。
- 同様に、目次についても、本文中に 「標記部分([]で注記した目次の標題を含む。)」等と 記載することによって 対応 可能である。
- この点で、過去に 記載されていなかったことを もって 標記部分性を 否定することは できないと いえる。
- また、「○○法目次」の 部分が 標記でないというのであれば、標題が どのように なっているかに かかわらず、単に 「目次中」と すれば よいはずであるが、実際には、改め文方式でも 「○○法目次中」などのような 記載を 行っている。
- このような 理由から、「目次」等の 標題の 標記部分性は、是認されるべきである。
- もっとも、二重傍線による 改正が 適するかは 個々の 事例において 判断されるべきであるが、不整形な 破線の 入力は 往々にして 不便を きたすので、府省令等の レベルでは、簡易な 方式として 二重傍線を 活用すれば 良いのでは なかろうか。
- 少なくとも、空白を 破線で 囲んだり、上・下欄で 対応しない 破線囲繞を 行ったり するくらいなら その方が 良かりなん。