日韓の 法令に 関すること(など)

日韓の 改め文に 関することを 中心に 調べたことなど(法令以外に 関するものも 含む。)を 書いていく 予定です(ひとまず)。 IE未対応です。

「例によらない」談義 ほか

「~の例によらないものとする。」

  1. 洋々亭フォーラムの 某投稿を 見て,「特別職の職員の給与」等に 関する 条例を 調べた。
  2. すると,いくつかの 自治体の 条例で「・・・については,・・・の例による。ただし,・・・条例第_条の例によらないものとする。」みたいな スタイルの 条文があり,個人的には とても 違和感を 感じた。
  3. しかし,地方税法地方自治法を 見たら,「~の例によらないものとする。」の例が 最近のものも 含め,いくつか あった。なお,「~の例によらない。」は,昭和25年の 2例*1だけが 出てきた。

 地方自治法第252条の6の2

2 前項の予告を受けた関係普通地方公共団体は,・・・第252条の2第1項から第3項までの例により,当該脱退により必要となる規約の変更を行わなければならない。ただし,第252条の4第1項第2号に掲げる事項のみに係る規約の変更については,第252条の2第3項本文の例によらないものとする。

「例による」場合の 読替え

  1. あと,ついでに 次のような 例も 出てきて,なるほどと 思った。調べてみたら,(「準用する」「適用する」「例による」の使い分け - 初心忘るべからず)の 記事があった。
  2. 地方税法第20条の3

    4 法第72条の14第1項本文の規定によつて法人の事業税の課税標準である各事業年度の所得を算定する場合においては,法人税法第57条第2項中「・・・」とあるのは「・・・」と・・・,同令第116条の2第3項中「・・・」とあるのは「・・・」として,これらの規定の例によるものとする。

    (下線は引用者)

  3. ところで,「例による」場合の 読替えは どう 呼称すべきだろうか。調べた 範囲では 用例が なかった。
  4. とりあえず,本ブログにおいては,「例による」の 文言から そのまま 「依例読替え」と 呼称しておこうと思う。
  5. もし,ほかに 用例や より 妥当そうな 呼称を ご存じな方は 是非 お教え頂きたく。

「なおその効力を有する」場合の 読替え

  1. この場合にも,「「・・・」とあるのは,「・・・」とする。」となる。
  2. これは なんと 呼ぼうか。失効せずに,その効力が 有効なまま 維持されている訳なので,有効読替えとでも しておこう。(無理矢理な 命名厨)

「なお従前の例による」場合の 読替え

  1. この場合も 通常の 依例読替えと 異なるところはないと思われる。
  2. ただし,現時点(平成31.1.29.)で 最も 新しい 「なお従前の例による」場合の 読替えの事例である,食品衛生法等の一部を改正する法律(平成三十年法律第四十六号)附則第三条では,「・・・なお従前の例による。この場合において、旧食品衛生法十三条第六項中「第十一条第一項」とあるのは、「・・・改正後の食品衛生法十三条第一項」と読み替えるものとする。」となっている。
  3. また,次のような例もある。
  4. 漁業経営に関する補償制度の改善のための漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の一部を改正する等の法律(平成二十八年法律第三十九号)附則第5条

    2 ・・・については,なお従前の例による。この場合において,なお従前の例によることとされる旧漁損法第2条第2号中「・・・」とあるのは「・・・」と・・・,なお従前の例によることとされる旧漁損法(同号・・・を除く。)の規定中「・・・」とあるのは「・・・」とする。

     

「読替え」の 位置

  1.  ところで,ワークブック法制執務で,「準用読替え」と「読替え適用」(「変更適用」)を 対で 用いていて,「読替え」の 位置が 違うのが 不思議に 思った。
  2. 普通に 解釈すると,読替え適用は (いわゆる普通の適用(読替えを伴わない)に対して)「読替えを 伴う 適用」の,準用読替えは 「準用に 伴う 読替え」の 意味であると 思うので,これは 少し 奇妙ではないか(思えば,できるだけ 造語せずに 済ませたかったということなのかも 知れない。)。
  3. ということで,個人的には,「準用読替え」の 対語は,「適用読替え」が 適当だと思う。

読替え規定

  • 準用読替えの場合=「「・・・」とあるのは,「・・・」と読み替えるものとする。」
  • 適用読替え(依例読替え・有効読替えを含む。)の場合=「「・・・」とあるのは,「・・・」とする。」

 

*1:相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)附則17項及び法人税法の一部を改正する法律(昭和二十五年法律第七十二号)附則第14項